激しい脇腹の痛みや血尿が引き起こされることがある「尿管結石」は、男性の方が女性よりも発症しやすいと言われています。原因や症状は、どのようなことが言えるのでしょうか。
今回は、尿管結石の原因や症状、治療法について具体的に解説していくので、参考にしてみてください。
尿管結石とは?
尿管結石は、尿の成分が結晶になることで結石が生じ、腎臓と膀胱を繋ぐ尿管の途中でひっかかることで、発症します。激しい脇腹の痛みや血尿が引き起こされる病気であるため、気を付けなければいけません。
結石によって尿の流れが悪くなると、腎臓の機能が低下する原因にもなるので、速やかな治療が大切です。
主に働き盛りな30代~50代に発症することが多く、女性よりも男性の方が発症しやすいとされています。結石の大きさや形、成分など様々な物があり、シュウ酸カルシウムが最も多いのが特徴です。
メタボリック症候群や高尿酸血症などの生活習慣病に当てはまる方は、尿管結石が発症しやすいので注意しましょう。
尿管結石の原因
尿管結石の原因としては、結石の成分によって異なります。「シュウ酸カルシウム」・「リン酸カルシウム」・「リン酸マグネシウムアンモニウム」・「尿酸」・「シスチン」などが該当するでしょう。
主に尿管結石の原因として多いのが、「シュウ酸カルシウム」と「リン酸カルシウム」などから作られるカルシウム結石が90%の原因として考えられます。
尿中のカルシウム濃度が高くなり、尿が酸性に近付いたりすることで、カルシウム結石が発生しやすいので注意しましょう。
尿中のカルシウム濃度が高くなる原因は、血液中のカルシウム濃度を調節する内分泌系の異常やがんの存在が懸念されます。他にもステロイドの処方なども考えられるので、おかしいと気付いた時には、速やかに病院に向かうことが大切です。
尿が酸性に近付く原因としては、尿細管性アシドーシスという病気や高度の脱水が考えられます。尿量が少ないと、結石ができやすい傾向にあるので、脱水状態にならないように水分補給が肝心です。
尿管結石の症状
尿管結石を発症した場合には、どのような症状が現れるのでしょうか。病院で診察してもらう基準になるので、事前に把握しておくことが大切です。
疝痛
尿管結石の症状は、結石の大きさや形状によって異なるのが特徴です。症状として多いのが、尿管中の結石を膀胱に運ぶ際に生じる、尿管のぜん動運動による「疝痛」が考えられます。
疝痛とは、脇腹に我慢できないほどの激痛が走る症状で、波のように押し寄せてくるのが特徴です。他にも背中や右肩当たりにも鈍い痛みが現れることがあるので、症状が出た場合は速やかに病院で診察してもらう必要があります。
血尿や吐き気など
尿管結石になった場合は、血尿が引き起こされることがあります。人によっては、痛みのあまり吐き気や嘔吐といった症状も現れることがあるのが特徴です。
他にも、尿の流れが悪くなることで、尿管感染が引き起こされ、発熱や倦怠感といった症状が出ることもあります。
これらの症状によって、尿管結石であることを判断することがありますが、中には無症状であることもあるので注意しましょう。少しでも違和感を覚えた場合には、病院で診察してもらうことをおすすめします。
尿管結石の治療法
尿管結石を治療する方法としては、「薬物療法」と「手術療法」があります。それぞれの治療法の特徴を紹介していくので、参考にしてみてください。
薬物療法
尿管結石の大きさが4ミリ以下の場合は、薬物療法で治療を行うことがあります。4ミリ以下の小さい結石であれば、水分をしっかりとっておけば、尿の量を増やすことで、自然に結石が排出することが可能です。
尿管結石を排出するために、促進させる薬を処方することで、薬物療法を行うこともあるので、小さい尿管結石の場合は簡単に薬と対処で改善することがあります。
手術療法
10ミリ以上の大きな結石の場合は、自然に結石が排出されることはほとんどないでしょう。そのため、薬物療法は行いますが、加えて手術療法を行う必要があります。
手術療法の内容としては、衝撃波を体の外から当て続ける治療や、尿道から内視鏡で結石のある尿管まで挿入し、レーザーで直接結石を砕く治療を施すことがあるでしょう。
状況によって、手術療法の内容が変わるので、まずは診察してから尿管結石の大きさを測ることが肝心です。
尿管結石は放置せずに速やかに治療を施す
尿管結石は、脇腹の痛みが生じることで自覚症状が生まれますが、速やかに治療を施さないと、腎臓の機能を低下させることに繋がる恐れがあります。
中には自覚症状がないケースもあることから、症状が悪化してしまうケースもあるので、日頃から健康診断などを行い、尿の状態などを確認しておく大切です。
痛みが伴った場合には、速やかに病院に向かい、適切な対応を施してもらってください。小さい結石の場合は、薬物での治療で完治することがありますが、大きい結石の場合は、手術を行わないといけないこともあるので、注意しましょう。