尿路結石を予防したい、あるいは尿路結石の再発を防止したいと考えていませんか。このページでは、尿路結石の原因と再発のリスク、予防や再発防止を目指す方が心掛けたい食事について解説しています。以下の情報を参考にすれば、尿路結石にどのように対処すればよいかがわかるはずです。気になる方は、確認しておきましょう。
尿路結石の原因や再発リスク
尿路結石は、尿路に結石ができる病気です。腎臓で作られた尿が、尿道から排出される際に通る道(腎臓・尿管・膀胱・尿道)を尿路といいます。尿路結石は、結石ができる場所によって呼び名が異なります。具体的には、腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石に分かれます。
尿路結石の原因
ほとんどの尿路結石は、はっきりとした原因がわかりません。発症には、尿の流れを妨げる病気、尿路感染症、長期の寝たきり、動物性たんぱく質の過剰摂取、脂質の過剰摂取、ホルモンの影響などが関わっていると考えられています。
尿路結石の症状
尿路結石の主な症状は、わき腹から背中、あるいは下腹部にかけての強い痛みです。痛みは間欠的または持続的に生じます。吐き気や嘔吐、さらには血尿、排尿痛、頻尿、残尿感などを伴うこともあります。
尿路結石の再発率
小さな結石は内服薬と水分摂取などで排出できますが、大きな結石はこれらで排出できません。排出できない場合は、手術で治療します。ただし、治療法に関わらず、再発するケースは少なくありません。5年以内の再発率は45%にも上ります (カルシウム結石の再発率)。予防や治療だけでなく、再発防止に努めることが重要です。
尿路結石は食事や生活習慣の欧米化が影響している
尿路結石を発症する方には、以下の特徴があると考えられています。
- 肥満
- 動物性たんぱく質の過剰摂取
- 脂質の過剰摂取
- 野菜不足
- カルシウム不足
- 運動不足
- 夕食後、すぐに就寝する
以上の特徴から、生活習慣の欧米化、とくに食事の欧米化と尿路結石の関係が疑われています。高たんぱく高脂肪の食事は、尿中のシュウ酸、尿酸などを増やし、結晶をできやすくします。いうまでもなく、欧米型の食事は、伝統的な和食に比べ高たんぱく高脂肪です。また、高たんぱく高脂肪の食事を続けていると、肥満のリスクも高まります。過去の報告によると、メタボリックシンドロームの患者に尿路結石症が多いことがわかっています。食事の欧米化と尿路結石には、密接な関係があるかもしれません。尿路結石を予防したい方、尿路結石の再発防止に努めたい方は、食事を見直しましょう。
尿路結石の予防と再発防止のための食事
尿路結石が気になる方は、予防と再発防止のため以下の食事を心掛けるとよいでしょう。
動物性たんぱく質・動物性脂肪を摂りすぎない
動物性たんぱく質・動物性脂肪を多くとると、尿中のシュウ酸・尿酸が増えて結晶ができやすくなります。結石は結晶が集まったものです。動物性たんぱく質・動物性脂肪を摂りすぎないことが重要です。
シュウ酸を摂りすぎない
尿中に含まれるシュウ酸は、主に食事由来と考えられています。したがって、食事から摂取するシュウ酸を減らすと、尿路結石の予防や再発防止につながると考えられます。シュウ酸を多く含む食品として、ほうれん草、紅茶、コーヒー、玉露、チョコレート、ココア、ピーナツ、アーモンドなどが挙げられます。特に注意が必要といえるのが、毎日摂取する可能性が高い紅茶、コーヒー、玉露です。野菜などに含まれるシュウ酸は、ゆでると減ります。野菜の摂取量を減らしたくない場合は、調理方法に気を付けるとよいかもしれません。
カルシウムを多くとる
尿路結石を予防するポイントは、尿中のシュウ酸を減らすことです。食品中に含まれるシュウ酸は、カルシウムと一緒に取ることで摂取量を減らせます。腸内でシュウ酸とカルシウムが結合し、便として排泄されるからです。したがって、カルシウムを積極的に摂ることも、尿路結石の予防、再発防止につながります。
水をしっかり飲む
水分摂取量が少ないと、尿が濃くなり結石ができやすくなります。尿路結石の予防や再発の防止には、こまめな水分補給が欠かせません。特に、汗をかいた後の水分補給は重要です。水分補給の目安は、1日当たり2リットル以上といわれています。
尿路結石の予防、再発防止に努めている方は食事にも気を付けましょう
尿路結石は、尿路に結石ができる病気です。原因不明のケースが多いですが、尿路感染症、長期間の寝たきり、動物性たんぱく質・動物性脂肪の過剰摂取などが関わっていると考えられています。予防・再発防止には、食事の改善と水分摂取が欠かせません。治療は、薬物治療あるいは手術治療で行います。我孫子東邦病院では、薬物治療だけでなく尿道から内視鏡を挿入して結石を砕く経尿道的尿管結石除去術(TUL)の実績が非常に豊富です。2019年の実績は430症例となっています。尿路結石にお困りの方は、我孫子東邦病院で相談してみてはいかがでしょうか。