外科手術で活用されるダビンチ手術とは、どのような手術の方法なのでしょうか。アメリカでは前立腺手術の方法として、主流になっている方法であるため、日本でも活用され始めています。
今回は、ダビンチ手術に詳しい内容を解説していくので、参考にしてみてください。
ダビンチ手術とは?
ダビンチ手術とは、主に腹腔手術を支援する内視鏡下手術支援ロボットを利用した手術のことを指しています。前立腺がん全摘手術の方法として、開腹手術と腹腔鏡手術がありますが、二つの方法を合わせたのが、ダビンチ手術の特性です。
アメリカでは主流になっている前立腺全摘手術の方法で、8割も手術用ロボットを活用して手術が行われています。
ロボット手術の特徴
ダビンチ手術は、患者様の負担が少ない内視鏡下手術の特性を活かすために開発され、ロボット機能を組み合わせることで、今まで実現できなかった角度からの視野を確保することに成功しています。
人の手で手術を行うよりも、精密な手術器具による動きが可能となっているため、手術の成功率にも大きく影響しているのが特徴です。優れた機能は、患者様だけでなく、医師にとってもプラスの効果が働くようになっています。
ダビンチ手術のメリット
ロボットを活用して手術を行うダビンチ手術では、様々なメリットがあります。具体的に、どのようなメリットがあるのか、解説していきましょう。
腫瘍組織摘出率の向上
精密に動くことができ、視野を広げることに成功しているダビンチ手術では、腫瘍組織の摘出率を向上させることが実現されています。それにより、手術の成功率が高まることがダビンチ手術のメリットといえるでしょう。
他にも、合併症リスクの低下や追加手術の必要性も低減させることに成功しているため、術後の経過も良好になりやすいのが特徴になります。
出血量についても、ダビンチ手術では低下させることができるので、手術による患者様の負担を減らすことにも繋がっているのです。
ダビンチ手術による前立腺がん全摘手術のメリット
ダビンチ手術を活用して前立腺がん全摘手術を行うことでも、様々なメリットがあります。例えば、出血量を最小限に抑えることができ、切開創を小さくすることができるので、患部の痛みも軽微な物へとすることが可能です。
他にも、手術による視野拡大にも繋がり、精密な作業も実現することに成功しています。がん細胞を全て取り除く確率も上がっているので、根治率を向上させることが可能です。
また術後の尿失禁や性機能障害を低減することにも繋がっているので、患者様の術後の経過についても、大きなメリットを与えることに成功しています。
開腹手術の場合
前立腺がん全摘手術を開腹手術で行った場合は、人の目で見える範囲が決まっていることから、尿道括約筋や神経を傷つけることが多いことから、出血量が増えてしまいます。
他にも、つなぎ合わせの正確性に不安を覚えることもあるため、歪に縫合される可能性もあるでしょう。
傷口も大きくなってしまうので、患者様が痛みを覚えるなど、負担をかけてしまう恐れがあります。
このように、ダビンチ手術と開腹手術を比較すると、ダビンチ手術の方がメリットが大きいのが特徴です。
術後の経過も良好になるケースが多いので、今後のダビンチ手術の普及に期待がもてます。
ダビンチ手術を行った場合の入院期間
ダビンチ手術を行った場合は、入院期間や保険適用などが気になるという方も多いでしょう。そんな方のために、ダビンチ手術について、詳しく紹介していきます。
ダビンチ手術を行った場合の入院期間
切開範囲が小さいため、出血量や傷口が小さいのが特徴です。そのため、経過が良好であれば8日前後で退院することができます。状況によっては長引くケースもありますが、最短で8日と考えると、かなり入院期間を短くすることが可能です。
ダビンチ手術は保険が適用されるのか
2012年4月から、前立腺がんにおけるダビンチ手術は、保険が適用されることになっています。そのため、保険に加入している方であれば、経済的な負担も軽くすることができるので、気軽にご相談頂けるでしょう。
ダビンチ手術はロボットが自動で手術する訳ではない
ダビンチ手術は、ロボット手術といっても自動で動く訳ではありません。ダビンチ手術は、患者様の腹部に開けた小さな穴に手術器具を取り付けた、数本のアームと内視鏡を挿入し、医師が操作ボックスの中で、画像を確認しながら手術を行うので安心してください。
信頼できる医師がロボットを操作するので、手術の成功率も各段に向上しています。
ダビンチ手術は成功率も術後の経過もメリットが高い
ダビンチ手術は、ロボットによる手術を実現することで、視野や緻密性が高まり、正確に患部を摘出することに特化しています。手術の成功率が高まるだけでなく、術後の経過も良好になるケースが高いので、利用するメリットが高いのが特徴です。
保険が適用されることも多いので、安心して手術を受けることができるでしょう。