腎炎は慢性化するとなかなか治癒させるのが難しく、一生付き合っていくことも考えなくてはならない疾患です。
しかし、慢性化してしまうと症状が現れないことも多いため、早期発見と早期治療が非常に大切と言えます。
この記事では、腎炎の原因や症状・種類について、また腎炎の予防法や治療法について解説いたします。
腎炎って何?原因や症状について
腎炎は、腎臓内の糸球体を中心に炎症が発生してしまう疾患です。
ここでは腎炎の原因や症状、種類について解説します。
腎炎の原因と症状
腎炎の多くは、細菌が腎臓に入り込んでしまうことが原因で発症します。
細菌の侵入経路は主に尿道口であり、大腸菌などの細菌が尿道から膀胱をさかのぼり、腎臓に達することで炎症が起きてしまうのです。
腎炎には急性と慢性の腎炎があり、それぞれ症状が異なります。
急性腎炎では排尿時の痛みや頻尿、残尿感などが主な症状として現れ、症状が重くなると発熱や全身の倦怠感、腰や背中の痛みなどに発展してしまうのが特徴です。さらに悪化し細菌が全身に広がってしまうと、急性腎不全や多臓器不全、敗血症や敗血症による血圧低下など命にかかわることもあります。
一方、慢性腎炎の場合は自覚症状が出ない場合が多く、軽度の腰痛や発熱などがみられる程度です。しかし、進行してしまうと腎不全や腎性高血圧などになってしまうこともあります。
腎炎の種類について
腎炎には、主に以下のような種類があります。
急性糸球体腎炎
腎臓内の糸球体が炎症を起こすことで、蛋白尿や血尿が出てしまう病気の総称です。
10歳以下の子供が発症する場合が多く、ほとんどの場合で完全に治癒することができます。
慢性糸球体腎炎
腎臓病の中でも最も多い疾患であり、蛋白尿や血尿が長期間持続してしまう腎炎を指します。
急速進行性糸球体腎炎
数週間から数ヶ月の短期間で腎不全が進行し、糸球体のほとんどが破壊されたのちに末期腎不全となってしまいます。根本的な原因ははっきりしていないものの、高齢者や中高年に多い疾患です。
腎炎の治療法や予防法について
ここでは、腎炎の予防法や治療法について解説します。
腎炎の予防法は?
腎炎は本来細菌がいないはずの膀胱に細菌が侵入し、膀胱内で増殖したのちに腎臓に達することで引き起こされます。そのため、腎炎を予防するために最も大切なのは陰部を清潔に保つことだと言えるでしょう。
こまめな入浴やシャワーで陰部を清潔に保ち、排泄時には前から後ろに向かってしっかりとふき取ることを心がけましょう。
加えて性行為後には膀胱内に細菌が入り込んでいる可能性が高いため、性行為後にはなるべくすぐに排尿をすることで、細菌を外へ出してしまうことが有効です。
また、排尿を我慢すると膀胱内に侵入した細菌が繁殖しやすいため、排尿を我慢しないことも大切でしょう。
さらに、尿量を確保するためには適切な量の水分を摂取することも有効です。
腎炎の治療法
急性糸球体腎炎の場合は完全に治すことが望めますが、その他のほとんどの場合で、完全に治すことは難しいのが腎炎です。
抗生剤の投薬や食事療法が治療の中心であり、治療が難航する場合には扁桃の切除を行うこともあります。また、一部の慢性肝炎に対してはステロイドや免疫抑制薬などの投薬が有効です。軽度な腎炎であれば外来治療での投薬を行いますが、重症化した場合には入院治療が必要となるでしょう。
食事療法の場合は、たんぱく質や塩分の摂取制限や、血圧や体重の管理を行います。
まとめ
この記事では、腎炎の原因や症状・種類について、また腎炎の治療法や効果的な予防法について解説しました。
腎炎は慢性化すると完全に治すことが難しく、早期発見と早期治療がとても重要です。腎炎の症状に少しでも心当たりがあれば、泌尿器科への早期受診をおすすめします。
我孫子東邦病院でも泌尿器科受診ができますので、気になる方は早期発見のためにもお気軽にご相談ください。