膀胱のすぐ下にある「前立腺」に痛みがある場合の検査などについて解説します。 膀胱の下に痛みが感じられる場合は、いくつかの病気の可能性が考えられ、病気の種類により検査や治療方法は異なります。 病院での検査を受ける前に、どのような検査や治療が行われる可能性があるのか知っておきましょう。
前立腺の痛みを伴う病気にはどんなものがあるか
前立腺に痛みが感じられる場合は、次のような病気の可能性が考えられます。
急性前立腺炎
前立腺炎とは前立腺に炎症が起き、痛みが発生する病気です。 細菌感染が原因であり、排尿時に発熱・悪寒・残尿感などに加え、食欲不振などの全身症状が現れる場合もあります。 治療が遅れると重症化しやすく、敗血症など危険な病気の原因になることもあるため早期の治療が求められます。
慢性前立腺炎
慢性前立腺炎では、男性生殖器から肛門周囲で鈍い痛みや違和感が続くことが特徴です。 急性前立腺炎と同じく細菌感染が原因であることもありますが、椅子や自転車のサドルなどで生殖部が長時間に渡り圧迫されることで発症することも考えられます。 命に関わる病気ではありませんが、不快感があることから慢性的な悩みになることも少なくありません。
前立腺がん
前立腺がんで痛みが感じられるのは、がんが骨に転移した場合です。 前立腺がんはほぼ初期症状がないことから、骨に転移して下半身や腰に痛さが現れてから発見されることも少なくありません。 遺伝・加齢・ホルモン・食生活が原因とされていることから、食の欧米化と高齢化に伴い増加傾向にあるがんですが、早期発見で治療を行えば今まで通りの生活を続けることも可能です。
前立腺に痛みがある場合に受ける検査と治療
前立腺に痛みが現れた場合の検査と治療方法は、病気の種類により異なります。 病院に行く前に、病気の種類ごとの検査・治療方法について知っておくと安心です。
急性前立腺炎
急性前立腺炎では尿検査と触診により検査をし、内服薬・点滴・抗生剤による治療を行います。
・急性前立腺炎の検査方法
尿検査では尿内の白血球と細菌の数を調べる検査が行われ、触診では肛門から指を入れ、直接前立腺に触れます。場合によっては血液検査が行われることもあります。
・急性前立腺炎の治療方法
治療方法は症状の重さにより変わり、通常は内服薬で治療を行いますが、症状が悪化している場合は入院をして点滴と抗生剤の使用により回復を目指します。
慢性前立腺炎
慢性前立腺炎では超音波検査と細菌培養検査をし、薬剤・漢方薬による治療を行います。
・慢性前立腺炎の検査方法
前立腺の状態確認のために超音波検査を行った後、尿内の細菌を培養する検査を行います。その後、尿検査が行われることもあります。
・慢性前立腺炎の治療方法
初期では抗菌剤とむくみ治療薬を用いて治療を行いますが、症状が安定した後は漢方薬を使う長期的な治療に切り替えます。
前立腺がん
前立腺がんではPSA検査や触診、超音波、生検などで検査をし、状態に応じたがん治療を行います。
・前立腺がんの検査方法
代表的な検査方法は、血液採取による「PSA検査」です。その他、直腸から指を入れての触診や超音波検査を用いた前立腺の観察、組織の採取にてがん細胞の有無を調べる検査などが行われます。
・前立腺がんの治療方法
一般的には手術・放射線療法・ホルモン療法の3種類から治療方法が選択されますが、進行が遅いがんであるため経過観察を行うこともあります。
我孫子東邦病院で受けられる最先端の治療とは
我孫子東邦病院は泌尿器科が充実しており、最先端の機器を使用した低侵襲な治療が行えます。
我孫子東邦病院の最先端治療と実績について
「我孫子東邦病院」では前立腺への治療を得意としており、特に手術支援ロボット「ダビンチ」を用いた前立腺がんの治療実績が豊富です。 千葉県内でも手術支援ロボットを導入している医療機関は少ないことから、泌尿器科疾患治療における評価は高く、2019年には年間144例という手術実績を達成しました。
手術支援ロボットを使うことのメリット
手術支援ロボットを使用し手術を行うことで、従来の治療方法よりも体への負担が少なくなることが患者様にとっての最大のメリットです。 より迅速に正確な手術が実現することから、術中の出血量が少なく、術後の痛みも最小限に押さえられるようになりました。
前立腺に痛みを感じたら早めに検査を
前立腺に痛みが現れた場合、前立腺がんや急性前立腺炎の可能性もあるため早めに検査を受けてください。 膀胱周辺に痛さがある際には、いくつかの病気の可能性が考えられます。 どのような検査や治療が行われるのか不安はあるでしょうが、なるべく早めに治療を始めることが最も重要です。 今回の記事を参考に、行われる可能性のある検査・治療方法を確認したら、病院で検査を受け、適切な治療を始めてください。